5月5日こどもの日は端午の節句ともいいますよね。
日本ではこういった行事のたびにその行事にちなんだ物を食べる風習がありますよね。
今回は端午の節句に必要となる食べ物ちまきや柏餅など、それに込められた意味をご紹介していきます。
端午の節句の食べ物にはなにが必要?
まずは端午の節句にどんな食べ物が必要になるかご紹介していきましょう。
- 柏餅
- ちまき
- 鯛
- 赤飯、ちらし寿司
- たけのこ
- 海老
- 豆
- 蓮(はす)
- 鰹(かつお)
- 蓬(よもぎ)
- 鰤(ぶり)
こうしてあげてみるとたくさんありますね。
ですが実際に端午の節句にこれらの食材をすべて準備するのは、なかなか大変ですよね。
この中で端午の節句に欠かせない食べ物、端午の節句といえば…「柏餅」と「ちまき」です。
端午の節句のお祝いとして食べ物を用意するのであれば、柏餅かちまき+それ以外の紹介した食べ物を数品という形でも十分でしょう。
とにかくここで言いたいのは、端午の節句の食べ物としては柏餅かちまきが必要不可欠ということです。
端午の節句の食べ物にこめられた意味は?
日本では昔から祝い事などの席で決まった食べ物が出されることが多いですよね。
その理由って知っていますか?
実は日本では様々な食べ物に、様々な意味を込めています。
せっかく祝い事などの席で食べるなら、その意味もしっかりと知っておきたいですよね。
まずは、先ほど紹介した食べ物の中から柏餅とちまき以外のものに込められた意味をご紹介していきます。
鯛…日本では昔から赤い色には邪気などを祓う力があるとされています。
だから赤い色をした真鯛がよく祝い事などの席で用意されるんです。
他にも「おめでたい」→「おめで鯛」というように語呂合わせから縁起物として選ばれている説もあります。
赤飯…赤飯も鯛と同じように赤い色をしていることから祝い事の定番のご飯となっています。
しかし、端午の節句の主役は子供。
最近では、端午の節句には赤飯より子供が喜ぶちらし寿司などがご飯の定番となっているようです。
たけのこ…たけのこは成長が早く、真っすぐすくすく育つものです。
そんなたけのこのように「真っすぐすくすく育ちますように!」という願いが込められています。
海老…海老も赤い色をした食べ物です。
他にも腰が曲がっている姿が老人に似ているため「腰が曲がるくらいの歳まで長生きしますように!」という願いが込められています。
豆…まめは「マメに働く・マメに暮らす」という語呂合わせから縁起物の定番になっています。
蓮(はす)…穴があいている蓮には「人生の見通しがよくなりますように!」という願いが込められています。
鰹(かつお)…かつおは「勝男」という語呂合わせにちなんでおり、初鰹の時期もちょうど端午の節句の時期と重なっているためよく食べられています。
蓬(よもぎ)…よもぎには薬の成分が含まれています。
そのため、子供の健康を願う意味が込められています。
鰤(ぶり)…鰤は成長するにつれて呼び方が変わっていく魚で、出世魚と呼ばれています。
「子供も鰤のように出世できますように!」という願いが込められています。
このように祝い事などの定番となっている食べ物には、それぞれしっかりと意味が込められています。
これらの食べ物は端午の節句に限った食べ物ではないので、その意味を覚えておけば色んな祝い事の席でも役立つことでしょう。
端午の節句にちまきや柏餅を食べる意味は?
今回の本題!
端午の節句の食べ物として欠かせない柏餅とちまきに込められた意味をご紹介しましょう。
柏餅を食べる意味
柏餅に使われる柏の葉っぱ。
これは昔から神様へのお供え物を盛る器として使われてきました。
昔から、柏は神聖な木だと考えられていたんですね。
そして、柏の木は冬を超えて新芽が出て、その新芽が成長しないと古い葉っぱが落ちません。
新芽=子供
古い葉っぱ=親
昔の人はこのようにして考えて、「新芽が出て成長するまで古い葉が落ちない」→「子供が生まれ大きく育つまで、親は死なない」→「血筋が絶えない」という解釈をしたんです。
端午の節句は昔から長い時間をかけて、今のような形に変化してきました。
その長い歴史の中には武家がおおいに活躍する時代もあったのです。
武家にとっては、家系や血筋の存続は何よりも大切なことでした。
そのため、端午の節句に子孫繁栄の意味が込められた柏餅を食べるようになったのです。
ちまきを食べる意味
ちまきというのは、平安時代に中国から日本に伝わってきた食べ物です。
中国では、このちまきには厄払い、邪気払いの力があると信じられてきました。
そもそも端午の節句の風習は日本の五月忌みと中国の厄払いの風習が交わってできたものです。
端午の節句の由来や意味についてこの中国の厄払いの行事は、ちまきに関する伝説が元になっていると言われています。
つまり、中国の厄払いの風習も交わっている端午の節句に、ちまきはうってつけの食べ物だということなんです。
このように柏餅とちまきには、それぞれ異なった意味や願いが込められています。
ここで気になるのは、「結局、端午の節句には柏餅とちまき、どちらを食べればいいの?」という点です。
実は端午の節句に、柏餅とちまきのどちらを食べるのか?というのは、地域性が深く関係しているのです。
元々の風習の由来とも言えるちまき。
これは平安時代に中国から伝わってきた食べ物です。
平安時代の日本の中心は、今とは違い関西です。
そのため平安時代に日本の中心となっていた関西は、日本のどこよりも早く端午の節句にちまきを食べるという風習を取り入れたのです。
このことから、関西では今でも端午の節句にはちまきを食べることが多いのです。
時代は流れ江戸時代になると、日本の中心は関東に移ります。
これとともに武家の文化は庶民の間にも広く伝わるようになりました。
このときに関東では、武家の文化にちなんで端午の節句に柏餅を食べるという日本独自の風習が生まれたのです。
その流れが色濃く残っている関東では、今でも端午の節句に柏餅を食べることが多いのです。
このように地域によって、端午の節句に柏餅を食べるかちまきを食べるかは違ってきます。
そのため、端午の節句では柏餅とちまき、どちらを食べてもいいのです。
昔からその地域にどちらかの風習が根付いているのであれば、それを参考にするといいでしょう。
まとめ
端午の節句の食べ物に込められた意味がこれで分かりましたね。
子供の成長や健康を祝う端午の節句。
せっかくなら、柏餅かちまき+縁起の良い食べ物を数品用意して、家族みんなで端午の節句のお祝いをしたいものですね。