小さい子どもと親が一緒になって楽しめる遊びに「シャボン玉」があります。
シャボン玉については子供の頃多くの方が経験していると思います。また親として今後子どもが大きくなったら一緒にしてみたいと思っている人は多いでしょう。
このシャボン玉遊びですが、シャボン玉液を子どもが間違って飲み込んでしまうことがあります。
シャボン玉液の誤飲により、複数の症状が起こるリスクがあることをご存じないという人は少なくありません。
また、症状が引き起こされてしまった場合の適切な処置方法を把握していない人もいます。
今回は、子どもがシャボン玉を誤って飲み込んでしまった場合にどのような症状が起こるのか、また症状が起こってしまった場合にはどういった処置のしかたをすれば良いのかを解説します。
今後シャボン玉遊びをしようと思っているすべての人にとって関係のあることですので、ぜひ最後までお読みください。
子供がシャボン玉液を誤飲 シャボン玉液の安全規格について
シャボン玉には「全国シャボン玉安全協会」と「財団法人・日本文化用品安全試験所」によって定められた安全基準が存在します。
市販されているシャボン玉は商品ごとに検査が実施されており、基準を満たし問題なしと認められたものには「STマーク」が表示されています。
そのため、危険な商品を購入しないためには、STマークが表示されているシャボン玉かどうか確認することが大切といえるでしょう。
どういう基準が設定されているのかについて製造基準の情報はインターネット上で公開されているものを見ることが可能です。
ストロー式シャボン玉
直接口にくわえて吹くことでシャボン玉が出る、吸引できない構造のもの(ストロー式シャボン玉)の場合、
- 界面活性剤相当分(石けん分は除く)が3%以下になっていること
- 蛍光増白剤は検出してはならないこと
- 重金属は検出してはならないこと
- 1容器あたりのシャボン液の容量は30ml以内であること
これらのことが基準として定められています。
ストロー式以外のシャボン玉
このほか、ピストルタイプで連続して多くのシャボン玉が出る商品など、たくさんの液が必要になる「ストロー式以外のシャボン玉」に関してですが、
- 界面活性剤相当分(石けん分は除く)が3%以下になっていること
- 蛍光増白剤は検出してはならないこと
- 重金属は検出してはならないこと
とここまではストロー式シャボン玉と一緒の条件に設定されていますが、1容器あたりの容量は600ml以内になっていることと定められている点に違いがあるのが特徴です。
界面活性剤は家庭用のシャンプーに採用されているものと同類のものが、シャボン玉に使用されている場合が多いとされており、既に述べたように基準を満たしている商品は3%以下しか含まれていません。
あとの97%以上はなにかといいますと、使用されているのはただの水です。
ほとんどが水とはいえ、界面活性剤が使用されていることに不安を感じる人もいるでしょう。
シャンプーの場合には飲み込んでしまうようなことはまずありませんが、シャボン玉液の場合は誤飲の恐れがあるため、間違って飲んでしまった場合の悪影響を心配するのは当然かもしれません。
シャボン玉液を誤飲したときの症状
安全基準をクリアしている市販のシャボン玉の場合、商品の毒性は低いです。
ただし、だからといって絶対になにも問題が起こることはないという話ではありません。
間違って子どもがシャボン玉液を飲み込んでしまった場合
- ノドが痛くなる
- お腹が痛くなる
- お腹を下す
- 吐き気がする
- 吐いてしまう
- しゃっくりが出る
というような症状が引き起こされるリスクがあります。
なお、誤って目に入ってしまった場合には、痛みを感じる、涙が出る、目が充血するといった症状を引き起こすことがあります。
上記の症状は市販されているシャボン玉液を誤飲した場合ですが、家庭で自作したシャボン玉液の場合にはどうなるのか、気になった人もいるのではないでしょうか。
この点に関してですが、使用した洗剤容器にある「液性」の表示をチェックしましょう。
家庭で自作するものの場合、台所用洗剤を使用する人が多いでしょうが、この洗剤の多くの液性は中性です。
毒性は低いのですが、誤ってたくさん飲み込んでしまった場合には、ノドが痛くなる、お腹が痛くなる、お腹を下す、吐き気をもよおす、吐いてしまう、口内がただれてしまうといった症状が起こる場合があります。
また、間違って目に入ってしまった場合はどうかといいますと、目の痛みを感じたり充血したりといった症状を引き起こすことがあります。
シャボン玉液を誤飲したときの処置方法
市販のシャボン玉液を間違って飲み込んでしまった場合には、お腹を壊さない程度に牛乳を飲みましょう。
また、市販のシャボン玉液が目に入った場合の症状を解説しましたので、処置方法も説明しますが、10分間以上の時間をかけて流水で洗ってください。
シャボン玉液を飲み込んだ量が多かった場合
誤飲の話に戻しますが、飲み込んだ量が多かった場合や、咳き込んでいる、嘔吐したといった問題がある場合には病院で診てもらう
自作したシャボン玉液を飲み込んでしまった場合
次に家庭の台所用洗剤(中性洗剤)で自作したシャボン玉液を飲み込んでしまった場合の対処方法ですが、十分に口をすすいで牛乳か水を飲みます。
先ほどと同じく咳き込んでいる、嘔吐したといった問題がある場合には病院で診てもらう
また、間違って目に入ってしまった場合には、10分間以上の時間をかけて弱い流水で洗いましょう。
なお、市販品と同様に飲んだあとの症状が起こる、目に入った際に処置をしても痛みや充血が続くというような場合には、病院に行くことが大切です。
おわりに
子どもが間違ってシャボン玉液を飲み込んでしまった場合にどのような症状が起こり得るのか、そしてどのように対処すれば良いのかご理解いただけたのではないでしょうか。
万が一事故が起こった場合もこれで安心と思った人もいるでしょうが、問題が起こる前に誤飲を防ぐことも非常に重要です。
シャボン玉遊びをする前には、子どもに誤飲が起こることを防ぐ意味でも正しい使い方を教えてあげる必要がありますし、教えても起こり得るのが誤飲のコワイところです。
飲み込んではいけないことや正しい遊び方を理解できるようになるまでは、シャボン玉遊びはさせないでおくのが安全です。