日本の特長のひとつともいえる四季
そんな四季を象徴するようにカレンダーに春分 夏至 秋分 冬至と書かれていることがありますよね。
なんとなくこの言葉を聞くと
「あぁ、春が来たんだな。」
「そろそろ夏がやってくるな。」
なんて思いがちですが、みなさんはそれぞれの言葉の正しい意味って知っていますか?
私は昔、親が季節ごとに
春分 夏至 秋分 冬至
とつぶやくたびに
春分って言うんなら夏分(かぶん)でいいんじゃない?
秋分っていうなら冬分(とうぶん)でいいんじゃない?
なんてことを思っていました。
しかし、どうやらそれぞれの言葉にはしっかりとした意味があるようです。
今回はそんな、春分と秋分・夏至と冬至に関するお話をご紹介しましょう。
春分と秋分 夏至と冬至はいつ?
それでは最初に春分と秋分・夏至と冬至が何月何日にあたるかのみていきましょう。
実は春分と秋分・夏至と冬至はそれぞれ年ごとによって若干日にちにずれがあります.
理由は後でご紹介しますね。
そのため、2015年の春分が○日だったからといって、2016年も同じ日にちだとは限りません。
2016年の春分 秋分 夏至 冬至の日にち
春分の日… 3月20日(日)
夏至… 6月21日(火)
秋分の日… 9月22日(木)
冬至… 12月21日(水)
それぞれ春夏秋冬の言葉が付いていることからも分かるように、季節にあった日にちになっていることがわかりますね。
春分と秋分・夏至と冬至ってなにが違うの?
今度は日付以外の春分と秋分・夏至と冬至の違いを見ていきましょう。
それぞれの言葉の元は?
まずは、それぞれの言葉の元から探っていきましょう。
春分と秋分・夏至と冬至は二十四節気が言葉の由来となっています。
二十四節気というのは、中国で戦国時代に太陽暦による季節のズレを修正し、1年を春夏秋冬の4等区分にするために考え出された区分手法のひとつです。
その名のとおり、1年が二十四に分類されており春分と秋分・夏至と冬至以外にも
立春 立夏 立秋 立冬
といった言葉も存在します。
この二十四節気が春分と秋分・夏至と冬至の元となっているのですが、それぞれの言葉には次のような意味が含まれています。
春分…二十四節気の第4にあたる。昼と夜の長さがほぼ等しくなる。
夏至…二十四節気の第10にあたる。北半球で1年で昼の時間がもっとも長い日。
秋分…二十四節気の第16にあたる。昼と夜の長さがほぼ等しくなる。
冬至…二十四節気の第22にあたる。北半球で1年で夜の時間が最も長い日。
それぞれの意味を違う言い方に言い換えると次のようになります。
春分…春の季節に昼と夜の長さがちょうど半分に分かれる日。
(実際には夜の方が少し長い)
夏至…夏の季節に昼が最も長いときに至った日。
夏の季節に太陽が最も北に至る日。
秋分…秋の季節の昼と夜の長さがちょうど半分に分かれる日。
(実際には昼の方が少し長い)
冬至…冬の季節の昼が最も短いときに至った日。
冬の季節に太陽が最も南に至る日。
このように春分と秋分は、それぞれ昼と夜の長さがちょうど半分に分かれるので
分の字が
夏至と冬至は、それぞれ太陽が北と南に至る日なので
至の字が含まれているんですね。
春分の日と秋分の日は祝日!夏至と冬至は?
春分と秋分・夏至と冬至の違いは昼や夜の長さだけではありません。
日本では春分の日と秋分の日は、国民の祝日ですよね!
このふたつの日は、祝日なのでしっかりと頭にあるという方も多いかもしれませんね。
しかし、春分と秋分と同じように季節の昼と夜の長さをあらわす夏至と冬至は残念ながら祝日ではありません。
これは日本が農耕民族であったことに由来しています。
農耕民族は春には種を畑などにまいて秋には収穫を行なっていたので、春と秋というのはとても重要な季節だったんですね。
そのため、春分の日は秋の豊作を願い、秋分の日には秋の収穫を祝うという意味を込めて、国民の祝日として認定されたのです。
春分と秋分・夏至と冬至のときの太陽の位置
ここまで春分と秋分・夏至と冬至の違いをいくつかご紹介してきましたが、最後にそれぞれの日の太陽の位置をご紹介しましょう。
春分と秋分・夏至と冬至は、それぞれ太陽の位置を目安に定められているんです。
太陽の位置を説明する前に、3つの言葉の意味を説明しましょう。
- 天球…宇宙全体を仮に考えた球体
- 黄道…太陽の通り道
- 天の赤道…地球の赤道を天球まで延長してあらわしたもの
地球に存在する自転軸は公転軸に対して、23.43度傾いています。
そのため先ほど紹介した黄道と天の赤道が交差する点が2カ所存在することになります。
交わる点のひとつを座標0の春分点と定め、座標上の180度の位置が秋分点となります。
そして、太陽の通り道である黄道の90度の位置が夏至点、270度の位置が冬至点となります。
この4つの点を太陽が通過する日が、それぞれ春分の日、夏至、秋分の日、冬至にあたるわけです。
少しややこしい話になりましたね。
もう少し分かりやすく、太陽が昇る方角と沈む方角を用いてそれぞれの日の特長を説明してみましょう。
春分の日…太陽は真東から昇り、真西に沈んでいく。昼と夜の時間の長さはほぼ同じ。
夏至…太陽が真東の北よりから昇り、真西の北よりに沈んでいく。太陽の南中高度(太陽が真南にきて、一番高くあがったときの地平線との角度)が最も高くなるため、昼の時間が最も長くなる。
秋分の日…春分の日と同じく太陽は真東から昇り、真西に沈んでいく。昼と夜の時間の長さはほぼ同じ
冬至…太陽が真東の南よりから昇り、真西の南よりに沈んでいく。太陽の南中高度が最も低くなるため、昼の時間が最も短くなる。
このように太陽の位置がそれぞれ変化するため、それぞれの日によって昼と夜の長さに変化が出るわけです。
そして、地球は1年間でこの太陽の周りを1周していますよね。
しかし、みなさんご存知のとおり地球はピッタリ1年で太陽の周りを1周しているわけではなく、1年と約6時間をかけて1周しています。
約6時間というこのズレが、最初に紹介した春分と秋分・夏至と冬至の日にちのズレの原因となっているのです。
まとめ
それぞれ太陽の位置や昼と夜の時間の長さで定められている春分と秋分・夏至と冬至。
国民の祝日である春分の日と秋分の日だけ注目しがちですが、これからは夏至と冬至も意識して日本の四季を感じ取ってみるといいかもしれませんね。