スギ、ヒノキ、シラカバなどの花粉が原因となって起こる花粉症。アレルギー疾患の種類の一つとして、悩まされている人は非常に多くいます。
鼻がムズムズする、鼻水がズルズル止まらない、くしゃみを連発する、目がたまらなくかゆいなど、さまざまな不快症状が引き起こされるのが特徴です。
ただ、鼻炎と同じような症状も含まれていることから、花粉症と鼻炎は同じようなものと認識している人もいるのではないでしょうか?
結論からいいますと、両者はまったく同じものではありません。
今回はそのあたりのことを分かりやすく解説しますので、興味がある人は以下の内容をぜひご覧になってください。
花粉症と鼻炎の症状
まずは花粉症の症状についてですが、冒頭でも述べたように鼻水、くしゃみ、目のかゆみが引き起こされるほか、目の充血、まぶたの腫れ、涙が出るといった症状も起こるのが特徴です。
これに対し鼻炎により引き起こされる症状ですが、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどが挙げられます。
花粉症と鼻炎の症状の違い
上記の症状を比較してみると、花粉症と鼻炎の症状の違いとしては、鼻炎には目に関する症状がないことが挙げられます。
そのため、鼻水、鼻づまり、くしゃみの症状はあっても、目がかゆくなったり涙が出たりしない場合には、鼻炎を疑ったほうが良いでしょう。
症状が違えば原因も違う
花粉症はスギ、ヒノキ、シラカバ、ネズ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、コナラ、リンゴ、カモガヤ、オオアサガエリ、ハルガヤ、ホソムギ、スズメノカタビラ、ヨモギ、ブタクサ、オオブタクサ、カナムグラ、ヒメスイバ、ギシギシ、カラムシといった具合に、さまざまな種類の花粉が原因となって引き起こされるのが特徴です。
これに対し鼻炎はハウスダスト(ダニ、カビ、ホコリ、動物の毛、蛾やゴキブリなどの昆虫)が主な原因となって引き起こされます。
花粉症はアレルギー性鼻炎?季節性と通年性の違い
原因を挙げましたが、花粉症も鼻炎も原因となるものに対しアレルギー症状を起こすのが特徴です。花粉症はアレルギー性鼻炎なのかという疑問に対する回答ですが、答えはYESです。
実は花粉症は別の呼び方があり、季節性アレルギー性鼻炎という名称があります。
さまざまな花粉が原因になり得ますが、種類によって花粉の飛散がピークを迎える時期が違います。
花粉の飛散が落ち着くと症状も落ち着くため、時期が限定されているということで季節性という言葉が付いているわけです。
一方、鼻炎にも別の呼び方があり、こちらは通年性アレルギー性鼻炎という名称があります。ダニ、カビ、ホコリ、ペットの毛、蛾やゴキブリなどの昆虫は年間を通して発生する可能性があるため、通年性という言葉が付いているのです。
なお、鼻炎には季節性・通年性のアレルギー性鼻炎だけでなく、ウイルスや細菌に感染することで起こる急性鼻炎、急性鼻炎が長引いたり、何度も引き起こしたりした場合などで起こる慢性鼻炎に分けられてもいます。
そしてこの慢性鼻炎は細かく分けると年齢の高まりにより引き起こされる老人性鼻炎、女性ホルモンの影響で起こる妊娠性、薬剤の使用が原因となる薬剤性鼻炎、原因不明のものなどがありますが、アレルギー性鼻炎も慢性鼻炎の種類の一つに含まれています。
まとめ
花粉症と鼻炎は別の症状が引き起こされ、花粉症は鼻炎にはない目の症状が起こる特徴があること、季節性と通年性の違いはあるものの同じアレルギー性疾患であることや、急性鼻炎と慢性鼻炎で花粉症が慢性鼻炎の一種であることがご理解いただけたのではないでしょうか。
医療機関で受診することにより症状を抑えられる見込みがありますので、ツライ症状を我慢するのではなく相談に行って適切な治療を受けることをおすすめします。