餞別を贈る際には、理解していない恥をかいたり、贈った相手に不快な思いをさせてしまうマナーがあります。
餞別とはなにか、上司など目上の方に贈るのは問題ないか、のし袋はどのように書けばOKなのかを解説しますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。
餞別の意味と相場
餞別の意味
餞別とは転任する方、遠方へ旅立つ方などに、はなむけとして金品を贈ることです。
また、このような人に贈る金品自体のことも餞別といいます。
詳しくどういう場合に餞別を贈るのかといいますと、旅行以外では、新婚旅行、引越し、出張、留学、異動、転勤、退職を挙げることができます。
餞別の相場
海外旅行
個人で贈る場合は5,000~30,000円ほど、複数人で贈る場合は1人500~3,000円ほど
新婚旅行
個人で贈る場合は3,000~50,000円ほど、複数人で贈る場合は1人500~3,000円ほど
留学
個人で贈る場合は3,000~5,000円ほど、複数人で贈る場合は1人500~3,000円ほど
海外出張
個人の場合は3,000~10,000円ほど、職場の複数人で贈る場合は1人500~1,000円ほど、友人複数人で贈る場合は1人300~3,000円ほど
海外赴任
個人で贈る場合は3,000~10,000円ほど、友人複数人や職場複数人で贈る場合は500~3,000円ほど
海外出張や海外赴任では餞別を贈らないことが多くなっています。
定年退職
個人で贈る場合は5,000~30,000円ほど、職場複数人で贈る場合は1人1,000~5,000円ほど(新入社員は1,000~3,000円ほど)
退職
個人で贈る場合は3,000~5,000円ほど、職場複数人で贈る場合は1人500~3,000円ほど
転勤・異動
個人で贈る場合は3,000~5,000円ほど、職場複数人で贈る場合は1人500~3,000円ほど(新入社員は500~1,000円ほど)
転居・引越し
個人で贈る場合は1,000~30,000円ほど、友人や職場複数人で贈る場合は1人300~3,000円
以上が一般的な餞別の相場になっています。
餞別を目上の人や上司に贈るのは失礼?
餞別を上司など目上の方に贈ること自体は、マナー違反になったり失礼にあたったりすることはありません。
ただし、餞別を贈るときにはのし袋を使用しますが、書き方によってはマナー違反、相手に対して失礼にあたってしまうことになります。
餞別ののし袋の書き方は?
まず用意するのし袋ですが、基本的には紅白の蝶結びの水引を使用し、新婚旅行の場合には、紅白の結び切りの水引があるのし袋を選択しましょう。
のし袋の表書き上段の書き方
- 旅行の場合は御餞別
- 新婚旅行の場合は御餞別、おはなむけ
- 出張・留学の場合は御餞別
- 異動・転勤の場合は御餞別、御礼、おはなむけ
- 退職の場合は御礼、御祝、御退職御祝
- 引越しの場合は御餞別、御引越御祝
相手が目上で個人が餞別を渡す場合
- 旅行はおはなむけ
- 新婚旅行はおはなむけ
- 出張・留学はおはなむけ
- 異動・転勤は御礼、おはなむけ
- 退職は御礼、おはなむけ
- 引越しは御礼、おはなむけ
と上段に書きます。
のし袋の表書き下段の書き方
注意贈り主が1名の場合
下段の真ん中に名字のみかフルネーム。
2名で立場が同じ場合
左右対称の位置にバランスよく名前を書く。
上司と部下、夫婦連名の場合
下段の真ん中に上司や夫の名前を、そしてその左側に部下や妻の名前を書きます。
3名の場合
2名の場合と一緒で、全員の立場が一緒の場合は左右対称の位置にバランスよく個々の名前を書く。
3名で上司と部下の場合
上司の名前を真ん中に書き込み、残りの2名はその左側に、立場が上の人から順に名前を書き込みましょう。
4名以上の場合
表書きに代表者の名前を真ん中に書き込み、その左側に他三名などと人数を記し、なかにメンバーのリストを入れればOKです。
4名以上でグループ名がある場合
表書きの下段には○○高校○○部OB一同といった具合に、グループ名を書き込みましょう。
職場の場合、○○株式会社○○部有志一同、○○課有志一同のように書いて、メンバーリストをなかに入れます。
メンバーリストは立場が上の人から順番に書き込みましょう。
金額は中包みか中袋の表側に、漢数字で縦に書きます。
複数名で一人ひとりの金額が違う場合、立場や年齢が高い人を一番右に、あとは立場や年齢が高い順に左へと、名前と金額を記した紙を添えます。
なお、のし袋に入れる中包み、お札(新札)はすべて、表向きに統一しましょう。
また、中包みがない場合には、金額は祝儀袋の裏面左下に書き込みます。
餞別では基本的にのし袋に宛名を書くことはありません。
おわりに
いかがでしたか?
餞別を贈る際には、とくに表書きの上段の言葉に注意が必要です。
上司など目上の人で、マナーに厳しい人に対し間違った表書きを書いてしまうと、相手が気分を害して突き返されてしまようなことにもなりかねません。
気持ちが正しく伝わるよう、マナー違反にならないように気をつけましょう。