日本人の4人に1人がかかってしまっている花粉症。
そんな花粉症の原因としてすぐに思い浮かぶのが、スギ花粉やヒノキ花粉だと思います。
しかし、それ以外にも日本にはたくさんの花粉症の原因となる花粉があるんです。
今回はブタクサ花粉と、ブタクサとよく間違われることのあるセイタカアワダチソウの違いをご紹介します。
ブタクサ花粉
ブタクサ花粉は、その名のとおりブタクサ花粉症の原因となる花粉です。
花粉症というと春を思い浮かべがちですが、このブタクサ花粉は7月~10月頃の夏から秋にかけて空気中に舞い散ります。
ブタクサ花粉症は日本ではそこまで有名ではありませんが、ブタクサの原産国であるアメリカではこのブタクサ花粉に悩まされている人が全人口の5~15%を占めるほどなんです。
ブタクサ花粉の症状としてあげられるのは、
- 鼻水、鼻づまり
- 目のかゆみや充血
- 肌のかゆみ
- 倦怠感
といったようなものであり、スギ花粉の症状と似ています。
しかし、スギ花粉症の症状とは大きく異なる点がひとつあります。
それが、果物過敏症と呼ばれるアレルギーを併発する可能性があるという点です。
果物過敏症とは、別名「食物アレルギー症候群」「口腔アレルギー症候群」とも呼ばれており、果物や野菜などを口にした際に舌や唇、喉などに痒みを
感じたり、目が腫れるといった症状があらわれるアレルギーのことです。
これはブタクサの花粉のたんぱく質の構造が、果物や野菜などのたんぱく質の構造と似ているために引き起こされるのです。
果物過敏症の症状が酷くなると気管支喘息などの発作を起こしてしまう場合もあります。
また、ブタクサ花粉はスギ花粉と比べると大きさが小さめです。
スギ花粉が40μmなのに対し、ブタクサ花粉は20μm以下。
そのため、ブタクサ花粉はスギ花粉に比べて気管支に入り込みやすく喘息にもなりやすいのです。
ブタクサ花粉の時期
スギ花粉とは一味違った症状があらわれるブタクサ花粉。
地域ごとのおおよその飛散時期は次のようになっています。
- 北海道…8月初旬~9月末(他の地方と比べるとブタクサの飛散はかなり少ない)
- 東北…8月初旬~10月末
- 関東…8月中旬~10月中旬
- 東海・北陸…8月中旬~9月末
- 関西…7月中旬~9月末
- 中国・四国…7月初旬~10月中旬
- 九州…9月初旬~10月末
花粉の飛散時期や量は毎年変化しますが、およその目安として覚えておくといいかもしれませんね。
ブタクサとセイタカアワダチソウの違いを画像で紹介
秋に花粉を飛ばすブタクサ。
花粉症の原因となることからもなるべくブタクサには近づきたくはないですよね。
ですが、みなさんはブタクサって実際に見たことがありますか?
実はブタクサはセイタカアワダチソウと呼ばれる植物と間違えられることが多いんです。
ブタクサ
セイタカアワダチソウ
上がブタクサ、下がセイタカアワダチソウの画像です。
こうして比べてみるとかなり違いますよね。
特に色なんてセイタカアワダチソウのほうが濃い黄色で、隣で並んでいたらそれぞれ違う植物だって分かりますよね。
そもそもセイタカアワダチソウは、虫媒花(蜂などの昆虫が花から花へ移動することで受粉する花)であるため花粉を飛ばすことがないのです。
そう考えるとセイタカアワダチソウとブタクサってかなり違いますよね。
共通点としては、ブタクサとセイタカアワダチソウはどちらも
- 外来種である
- 黄色い花をつける(黄色の濃さは一目両全ですが…)
- 河原や道端に生えている
- 背丈が2メートル近くなる
といったものがあげられます。
確かに共通点は多いですが、これからはブタクサとセイタカアワダチソウを見間違えずにすみそうですね。
まとめ
花粉症は春だけと油断していると秋に猛威をふるうブタクサの花粉の餌食になってしまうかもしれません。
ブタクサの花粉症は果物過敏症といったアレルギーを併発する可能性や、喘息を起こしやすいという特徴もあります。
秋の時期に花粉症に似た症状があらわれたらそれはブタクサが原因かもしれません。
秋だからと安心せずにしっかりと花粉症対策を怠らないようにしましょう。