食中毒の原因は細菌とウイルスだけ?症状の違いと潜伏期間
突然襲ってくる下痢や嘔吐、腹痛
食中毒の症状として一般的にあげられる症状ですね。
しかし一言で食中毒といっていますが、その原因は細菌とウイルスだけでなく、いくつか種類があることをご存知ですか?
今回は、そんな食中毒の原因や症状の違い潜伏期間などをご紹介します。
食中毒の主な原因は細菌とウイルスです。
食中毒の主な原因として挙げられるのは細菌とウイルスになります。
しかし、それ以外にも原因はあるのでまとめてみていきましょう。
細菌性食中毒
細菌が原因となって発生する食中毒であり、食中毒の70~90%がこの細菌性食中毒だといわれています。
特に夏場である6~8月に多く発症する傾向にあります。
ウイルス性食中毒
ウイルスに感染した食品を食べたり、感染者との接触などが原因でウイルスが口に侵入することで発症するのがウイルス性食中毒です。
ウイルスの種類もいくつかありますが、感染する人の多くの原因が「ノロウイルス」であり、冬場に多く発症する傾向にあります。
化学性食中毒
食品添加物や、洗剤や農薬の誤飲といった化学物質が原因で発症するのが化学性食中毒です。
細菌性食中毒やウイルス性食中毒と違い、基本的に誤飲が原因となることがあるので、化学性食中毒を発症してしまう可能性は低めです。
自然毒食中毒
自然界に生息している毒性分を持つ植物や動物を口にすることで発症するのが自然毒食中毒です。
自然毒食中毒にも種類があります。
植物性自然毒
植物が動物や昆虫といった外敵から身を守る自己防衛機能として毒成分を生成していることがあります。
植物性自然毒を持つ植物として有名なのが「毒キノコ(キノコは厳密には植物ではありませんが、食中毒の統計では植物性食中毒としてカウントされます。)」であり、植物性食中毒の原因の90%を占めています。
他にも、トリカブトやスイセン、ドクゼリといった植物性自然毒を持つ植物も存在します。
動物性自然毒
動物性自然毒のせいで食中毒になる原因のすべてが魚介類によるものです。
その中でも特にフグによる食中毒が有名です。
自然毒食中毒の場合も、人が生きてきた長年の経験から自然界に存在している毒成分をもつ植物や動物がある程度把握できるため発症の割合は、食中毒全体でみると低めです。
食中毒の原因となる細菌とウイルスの種類
食中毒の主な原因となっている細菌とウイルス。
細かく見るとその種類も様々です。
主な食中毒の原因となる細菌
●サルモネラ属菌
●病原性大腸菌
●腸炎ビブリオ
●黄色ブドウ球菌
●ボツリヌス菌
●O157(腸管出血性大腸菌)
●カンピロパクター
主な食中毒の原因となるウイルス
●ノロウイルス
●ロタウイルス
この他にも多くの細菌やウイルスが存在します。
食中毒の症状の違いと潜伏期間
食中毒の原因となる主な細菌とウイルスの症状の違いと潜伏期間もみていきましょう。
サルモネラ属菌
サルモネラに感染されている鶏や豚、牛などの肉や卵を食べることで発症します。
症状は腹痛、水溶性の下痢、吐き気、倦怠感、38~40℃近い高熱があげられます。
潜伏期間は1~3日ほどです。
病原性大腸菌
汚染された飲み水、生野菜、食肉などから感染します。
症状は腹痛、下痢、38~40℃近い高熱、吐き気、頭痛などがあげられます。
潜伏期間は4~14日ほどです。
腸炎ビブリオ
生食の魚介類に多く付着しているのが腸炎ビブリオです。
症状は、激しい腹痛、下痢、吐き気、発熱などがあげられます。
潜伏期間は短いとおきで2~3時間ほど。一般的には10~24時間ほどです。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、人の傷口や化膿した部分に多く存在します。
そのため、手や指に傷口がある人が触ったおにぎりやパン、料理などを口にすることで感染するケースが多いです。
症状は、激しい腹痛、下痢、吐き気などですが、発熱はすくなめです。
潜伏期間は1~5時間ほどです。
ボツリヌス菌
魚肉や食肉、野菜が材料となった缶詰やレトルト食品、発酵食品などに存在するのがボツリヌス菌です。
症状は吐き気、呼吸麻痺、視力障害、言語障害などがあげられます。
潜伏期間は8~36時間ほどです。
O157(腸管出血性大腸菌)
挽肉などの食肉製品、サラダ、乳製品などに存在することがあります。
また、殺菌が施されていない井戸水からの感染のケースもあります。
症状は激しい腹痛、水溶性の下痢、腎不全などがあげられます。
潜伏期間は2~7日ほどです。
カンピロパクター
鳥や牛、豚といった家畜に多く存在するのがカンピロパクターです。
症状としては、腹痛、下痢、吐き気、40℃近い高熱があげられます。
潜伏期間は2~7日ほどです。
ノロウイルス
二枚貝などの魚介からの感染で多く知られているのがノロウイルスです。
症状は吐き気や腹痛、下痢、発熱で体の抵抗力や免疫力が高い場合は比較的軽症ですむことがありますが、子どもやお年寄りの場合は症状がかなり重くなる場合があります。
潜伏期間は1~3日ほどです。
ロタウイルス
生後6ヶ月~2歳の乳幼児が食べ物や飲み物に付着しているロタウイルスを口にしてしまうことで食中毒を発症するケースがあります。
症状は腹痛や下痢、吐き気があがられ、そこからの二次感染の可能性もあります。
潜伏期間は1~3日ほどです。
まとめ
食中毒の原因として最も多いのが細菌、そしてウイルスです。
今回紹介したものの中には、みなさんが感染したことがなくても耳にしたものが多くあったのではないでしょうか?
全ての食中毒の原因を生活から排除するというのは難しいものですが、できる範囲(細菌が発生しない食べ物の調理の仕方や保存方法、二次感染の阻止)で食中毒を予防するように心がけましょう。